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#CAR 想いでの車〜セドリック10

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東京はめっきり暖かくなり、気温25度を超えた今日あたりはエアコンを入れて走るようである。

写真は当時の初代・前期型カタログから。見てわかるように、インパネにはエアコン吹き出し口もエアコンコントロールスイッチのコンソールもない。

つまり、冷風は走行風を三角窓から採り入れるか後付けの吊り下げクーラーを使うくらいしかなかったのだ。クーラーについては以前に書いた。

では、暖房、ヒーターはというと、これも後付けかそれに近いものが備えられていて、今のクルマのようにフェイスレベルで温風を出したり後席足下へ導いたりという仕掛けなどほど遠いものだった。

簡単に言って、ヒーターユニットから直接足下に出る温風に頼っているのみだったのである。

では、ヒーターユニットはどこに装備されていたかというと、記憶ではダッシュ下中央、フロアトンネルの上、ちょうどミッションのベルハウジングの真上あたりに取り付けれれていた。

温風の素はラジエターから引き込む循環温水(これは今も同じだ)、構造は簡単なもので、基本は風を起こす電動ファンと温水を通すエバポレーター(仕組みとしては、やはり今も同じ)、それらをケーシングした金属製のケースのみ。

まだシロッコファンではなく、一般的にはプロペラ式だったと思う。だから、ヒーターユニットの大半が大きなモーターというか両手ナベというか……その形状からだるまヒーター、お釜ヒーターとも呼ばれていたんじゃないだろうか。

ウチで乗っていたセドリックに関してはわからないのだが、当時はヒーターすらオプション、あるいは非標準だったクルマが多く、クーラーと同様に後付けパーツとして売られていたようである。となると、低コストな汎用タイプは外観が素気ないそれこそモーター丸だしのカタチだったし、少しデラックスになると多少の装飾らしきものはあった。とはいえ、装着位置は足下でありあまり表には見えない位置だから、大げさな見栄えではない。ファンはいずれも「高・低」程度の切替はあった。

なぜか、ほかのクルマに装着されていた安いタイプについてよく覚えている。

それは、温風吹き出し方向と吹き出し量を調整するフラップが装備してあったことだ。フラップは、ちょうど吹き出し口全体を縦にふたつに区切って付けられた一対のバタフライ状のもので、手動でおのおの全閉・全開、あるいは随意な位置にできるようになっていた。原始的だが、左右温度コントロールが可能であった。

ヒーターが不要な季節は、それらのフラップを全閉にして温風の漏えいを遮断しかつエバポレーターを汚れなどから保護する。また、温水が流れないようにするためにエンジンルーム側分岐にコックもあったようだ。

いずれにしても、ヒーターユニットは位置が位置だけに、クラッチ操作時など不意にけ飛ばしても壊れないよう、かなり頑丈なケースに納められていたことは確実に覚えている。

……というのも、助手席の床下に潜り込んでフラップを開け閉めして遊ぶのが子供心に面白かったからである。クルマの室内装備のなかで、数少ない走行中にいじっても危険ではなく許されていたのがこのフラップだったからだ。

70年代後半くらいまで、商用車や大衆車の廉価グレードなどではヒーターは非標準、後付けが売られていたと思う。

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